玲瓏の庭|異なる芸術を融合させる展示空間

京都市
玲瓏の庭
異なる芸術を融合させる展示空間

企画の背景

日本画家戸倉英雄さんの「何か新しいことをしたい」という思いから始まりました。

一人だけでできる芸術活動には限りがある。様々な芸術家が集まって新しいものを生み出す基盤をつくりたい。
その思いに多田さんが共感され、私も参加させていただくことになりました。

異なる種類の芸術を融合すること
合同展示や同居でなく、融合させたい 融合は進化の源に

融合や繋がりがおきやすくするため、余白を計画的に準備し、展示点数を絞りました。
また、会場であるシマダイギャラリーの空間的特徴を生かした展示。
作品同士の関係が深まる最も魅力を発揮することとなる構成を検討しました。

日本画の見え方を変える

枠を取り払うことで、作品のイメージが周囲へ拡張。
絵画を壁面に対して傾ける、壁面に粗密が生まれ、空間に動きが出る。鑑賞する姿勢から眺める見方へ。
鑑賞時の緊張が少し解け、視野が広がる。
作品だけでなく会場全体を眺められるようになるのではないかと考えました。
庭の日本画が上空から見下ろした二次元絵画であり傾斜させた展示でも破綻しない。
床面を壁面に置き換えるような見立ての面白さも生まれました。

いけばなが加える流動性

花が空中に漂うような生け方。余白にエネルギ-を感じる。
龍を思わせるいけばなが入ることで空間に流れが生まれました。
花材の形や色が日本画と響き合い、絵画といけばなの間に新しい関係が生まれていく。

展示内容と手法で空間全体が融合したように思います。

地面・壁・天井の認識が失われ、無重力空間のような錯覚につながったか。

回遊式庭園としての展示空間

ギャラリーは、いくつかの空間に分かれ、配置も少し複雑な構成になっています。それぞれの空間をうねるような回遊動線でつながれ進むたびに、シーンが少しずつ展開していく。その連続によって、会場全体に広がりを感じてもらえるようにしました。また、うねる動線を絵画の引砂のイメ-ジに重ねました。

「玲瓏の庭」を、回遊式庭園のように楽しんでもらう。

庭の中に建築があり、建築の間を歩きながら庭全体を楽しむように、展示空間の中を歩くことで、作品同士の関係や場の変化を感じてもらうことを目指しました。

巽蔵と小上がり、そして土間

会場の巽蔵と小上がりの部分を建築として捉え、その間に広がる土間を庭に見立てました。
建築の間に庭が広がり、その庭を歩きながら、周囲の作品や空間を楽しむ。
既存の会場構成を生かしながら、建築と庭の関係を展示空間の中に組み込んでいきました。


玲瓏の庭|異なる芸術を融合させる展示空間

所在地:京都・シマダイギャラリー
工事種別:展示空間の企画・構成・設計
撮影:動画 cyda photography